高原豪久さんはユニ・チャーム株式会社の2代目社長です。
生理用品や紙おむつなどの衛生用品を中心に製造・販売を行っているユニ・チャームは国内だけでなくアジアを中心とした海外にもサービス提供を行うグローバル企業です。
創業者であり父でもある高原慶一郎さんはカリスマ経営でしたが、豪久さんは共振経営への転換に成功したことでも注目を浴びています。
今回は2001年より20年間社長として君臨し続けている高原豪久さんの社長としての実績や経歴、年収などをご紹介します。
目次
高原豪久とは
高原豪久さんはユニ・チャーム株式会社の代表取締役 社長執行役員です。2001年、創業者である父の後任として39歳で社長へと就任し現在に至ります。
愛媛県川之江市(現:四国中央市)出身ですが、小学生時代は東京と愛媛を行き来していました。高原さんは何度も転校をしていたのですが苦痛ではなく、環境が変わる事での新たな発見や刺激を常に楽しんでいたそうです。
高校は山手学院高等学校に通い、1年間アメリカに交換留学へ行きホストファミリーの家で過ごした経験もあります。大学は成城大学と関東にて学生生活を送っていました。
社長へと就任した当時はカリスマ経営者とも呼ばれていた父に代わって、経営手腕を不安視する声も多かったそうですが、それを跳ね除けて圧倒的な実績を収め続けています。
父とは違う経営方針を行ってきた高原豪久さんの実績や偉業なども、以下にて順にご紹介します。
高原豪久のプロフィール
- 本名 :高原 豪久(たかはら たかひさ)
- 出身 :愛媛県川之江市(現:四国中央市)
- 生年月日 :1961年7月12日
- 学歴 :成城大学経済学部 卒
- 趣味 :読書・週末にジムでランニング
- SNS :無
高原豪久の経歴
高原豪久さんは1986年に成城大学を卒業後、三和銀行(現:三菱UFJ銀行)へ入行します。
三和銀行で5年間経験を積み、1991年ユニ・チャーム株式会社へ入社し1995年には取締役へと昇格を果たします。その後も年々昇格を果たし、2000年には常務取締役経営戦略を担当、2001年に創業者である父親の後任として代表取締役社長へと就任しました。
高原豪久さんの経歴はこれだけでなく、2013年には日本衛生材料工業連合会会長、2015年にカルビー株式会社の社外取締役、2021年に野村ホールディングス社外取締役など、社外においてもさまざまな役職に就いています。
高原豪久の現在
高原豪久さんは2021年11月時点で60歳です。還暦を迎えた現在もユニ・チャーム株式会社の社長をつとめています。
ユニ・チャームでは現在DXを目指し、遠隔地からでもリアルタイムに顧客の生活実態や表情などが読み取れる『デジタルスクラムシステム』を開発したことが発表されました。これによって製品改良や設備稼働に欠かせない品質安定性の監視や的確な指示が可能となります。
高原豪久さんが創造するDXの目的は“顧客インサイトの発見”だそうで、消費者自身も気づいていない無意識の心理に迫ることを目標に今後も開発を続けていくようです。
また、東京都にて“家庭から排出される使用済み紙おむつ”の効率的な回収~再生利用処理の手法について小田急電鉄株式会社と共同で、町田市の一般家庭2,500世帯を対象に実証を行う事業者にも採用されました。
高原豪久さんは自社でも環境問題に積極的に取り組んでいることから、この取り組みに名乗り出たようです。
高原豪久の推定年収・資産
高原豪久さんの2021年現在の資産予想は8,810億円であり、日本長者番付ラインキング第6位となっています。
また、ユニ・チャーム株式会社2020年12月期の役員報酬の発表では高原さんは2億7,500万円となっていますが、他にも自社株からの配当金や社外役員報酬もありますので、推定年収は最低でも5億円は超えていることが予想されます。
ちなみに、自社株の資産価値は150億円以上とも言われています。
高原豪久の家族・結婚・自宅情報
高原豪久さんは結婚されていて、妻は旧姓:高島和香子さんという方です。
子供については2011年の時点で就職内定が決まっている息子がいるという情報が見つかりました。
高原豪久さんは“4~5年後には「俺の会社に入れ」と言うかもしれない”と語っていたそうなので、もしかすると現在はユニ・チャーム株式会社の社員として活躍されているかもしれません。
自宅は東京都港区の高級住宅街に一戸建ての豪邸を所有されているようです。
また、人事制度に“自宅で飼育していたペット(犬、猫)が亡くなった時は特別休暇1日取得可能”となっていますので、もしかすると高原豪久さん自身がペットを飼われている(飼っていた)可能性も考えられます。
ユニ・チャーム株式会社とは
ユニ・チャームでは生理用品等のフェミニンケア商品や紙おむつ等を製造している会社で、日本国内ではトップのシェア率を誇っています。
アジア各国への進出も行っていて、海外での売上比率は6割を超えています。
1988年に香川県綾歌郡宇多津町に高さ158mのゴールドタワーを建設したことでも有名な企業です。(2001年に運営より撤退済)
現在は衛生用品だけでなく、愛犬・愛猫の食事用品も販売していて業績が伸びています。
また、フェミニンケア用品を製造していることから、“女性が輝く社会づくり”を重要な取り組みテーマとして掲げており、『ピンクリボン活動』の応援やジェンダーレス社会を目指した取り組みを行い、高く評価されている会社です。
ユニ・チャーム株式会社の歴史
ユニ・チャーム株式会社の前身は1961年に創業者である高原慶一郎さんが設立した『大成化工株式会社』であり、当初は建材の製造を行う会社でした。
1963年に建材の製造から生理用ナプキンの製造へとシフトを開始し、1968年に『チャームナップ さわやか』の発売を開始します。
1974年ユニ・チャーム株式会社を設立し、生理用タンポン分野にも進出を果たしました。
2年後には東京証券取引所市場第二部へと上場しています。
1981年に発売したベビー用紙おむつ『ムーニー』はその後、世界初のパンツタイプのおむつを発売したことでも有名です。
2006年7月には資生堂の連結子会社となる『エフティ資生堂』の生理用品事業を買収し、フェミニンケア製品の強化を行っていて、資生堂とは今後も他分野においても戦略的提携を目指しているといわれています。
2020年より流行した感染症によりマスク製造を強化し、2021年には口元や顔の表情が見える『顔がみえマスク』を発売し今に至ります。
サービス・事業内容
ユニ・チャーム株式会社では『不織布』『吸収体の加工』『成形』分野において優れた技術を有していて、さまざまなジャンルの衛生用品などを製造しサービス提供をしています。
2021年時点でユニ・チャームが提供しているサービスは5つの事業に分かれていて、以下のとおりとなります。
ウェルネスケア
ウェルネスケア事業部ではマスクの製造・大人向けの排泄ケア用品・ホームケア用品の開発・製造を行っている事業部です。
取り扱っている商品は以下の通りです。
- ライフリー
- 超立体
- 超快適
- チャームナップ 吸水さらフィ
- ウェーブ
- クックアップ
超高齢化社会の日本の日常生活で重要とされている排泄ケア分野にて“自立と尊厳のゆとり”の提供を目指しています。『ライフリー』では下着に影響がでないナプキンタイプの軽失禁パッドからパンツタイプまで、細かなラインナップを用意していて状況に応じた商品を選ぶことができます。
マスクに関しても花粉症人口の増加や感染症拡大においてマスク需要が高まる中、『超立体』『超快適』シリーズは耳への負担がかからない形状設計で本物のシルクを配合し、付け心地の良いなめらかなマスクを提供しています。
ホームケア用品の『ウェーブ』は掃除用シートとなっていて、室内のごみやホコリを絡め取って掃除することができる商品です。この不織布シートを立体にする技術は世界各国でも採用されています。
ペットケア
1986年より事業を開始したペットケア事業部は犬や猫などのペット飼育数が増えている昨今、ユニ・チャームではペットと人の暮らしを健康面・衛生面で快適に過ごせるためにペットフード・ペット用排泄シート・システムトイレ・ペット用紙おむつなどを製造しています。
ペットケア事業部で取り扱っている商品は以下の通りです。
- グラン・デリ
- ベストバランス
- 銀のスプーン
- All Well
- Physicalife
- デオシート
- マナーウェア
- デオトイレ
日本の高齢化と共に犬猫も長寿化が進み、食事の見直しや排せつケアが重要視されています。
ユニ・チャームは栄養バランスを犬や猫の年齢や体格、体調、嗜好などの特徴に合った食事法を追求し提供し、飼い主をサポートしているのです。
フェミニンケア
1963年より開始され、ユニ・チャームの初期事業です。
生理用ナプキン・タンポン・ショーツ・パンティライナーなどのトータルフェミニンケア商品を提供しています。
フェミニンケア事業部で取り扱っている商品は以下の通りです。
- ソフィ
- センターイン
- 超熟睡
- はだおもい
- ソフト タンポン
- きよら
ユニ・チャーム株式会社は女性の身体と心の仕組みを化学的に研究し、生理やおりもの、軽失禁による物理的な不快感からの解放を目指した商品を提供しています。
また、初経教育サイト『ソフィ はじめてからだナビ』は対象の子供や保護者、教育者に向けた情報コンテンツを提供し、正しい知識を身につけてもらうためのサポートも行っています。
ベビーケア
1981年より開始された事業で赤ちゃんの紙おむつを開発・製造しています。
ベビーケア事業部で取り扱っている商品は以下の通りです。
- ムーニー
- ナチュラル ムーニー
- マミーポコ
- トレパンマン
- オヤスミマン
世界初のパンツタイプおむつを製造したのはユニ・チャームです。
ベビー用おむつは『ムーニー』と『マミーポコ』の2つのブランドを展開し、各ニーズに合わせた商品提供をしています。
また、2001年より育児情報サイト『ベビータウン(現:チーム ムーニーポントプログラム)』を開設し、子育てに役立つ情報の発信やポイントキャンペーンも実施している事業部です。
Kireiケア
2021年より事業を開始したKireiケア事業では、ベビーケア事業などで製造していたベビー用ワイプスや化粧用コットンを加えて従来のパーソナル用を提供しています。
Kireiケア事業部で取り扱っている商品は以下の通りです。
- シルコット
- ムーニー
化粧用コットンの『シルコット』は約30年経つロングセラー商品です。
他にも『シルコット ウェットティッシュ』では置き型・携帯型を用意し、様々なシーンで使用できるように展開しています。
『ムーニー』のベビー用ワイプスではカシミアのようなさわり心地を追求し、肌に優しい製品製造を行い、子育てをサポートしています。
高原豪久の実績・偉業
高原豪久さんは社長に就任してから様々な経営戦略を行い、成功を収めてきました。
そんな高原さんの実績や偉業は以下のとおりです。
カリスマ経営から共振経営への転換
父である高原慶一郎さんはとても着眼点が鋭い方で、生理用品の製造を始めたきっかけもアメリカ視察に行った時、地元スーパーでの生理用品の陳列方法が日本とは違い一般商品と同じように棚に並んでいたことに衝撃を受けたことだそうです。
この出来事があまりにも衝撃的で、日本の思考の古さに気づかされた高原慶一郎さんは、今後の日本も女性の社会進出が重要となり経済発展に繋がると確信し、生理用品の製造に踏み切りました。
このようなカリスマ性のある父の後任となった高原豪久さんは就任後、周囲からとても心配の目で見られていたそうです。しかし、豪久さんは元々社員の昔ながらの考え方に疑問をもっていて“社員全員がやる気をもち、自分で考えて行動する組織に改革しよう!”と決意し取組みます。
結果として、トップが決めた事を実践する受命体質な社員ではなく、自分で考え行動するような組織作りに成功し成果を上げたことで社長としての実力を発揮したのです。
海外展開の加速
生理用品や紙おむつなどは元々、ほぼ国内のみに展開を行っていたのですが高原豪久さんが社長に就任されてから80以上の国や地域に進出を行いました。
結果、社長就任時は約1割だった海外売上高比率は約6割に伸び、売上高も3倍へと伸びたのです。
海外では現地のパートーナー企業と連携をとって製造販売を行う『ジョイントベンチャー形式』を主に行っています。
現在は日本だけでなく中国も高齢化社会が本番を迎えようとしている中、更に海外事業は加速することが予想されています。
誕生日の社員にメールを送る
高原さんは毎朝6時半に会社へ出社し、最初にその日誕生日を迎える社員にメールを送ります。文面も一人ひとり違い、1日平均7~8人へ向けて今までの異動歴や対話した内容を思い返しながらその社員に対しての文章を打つのだそうです。
これも高原豪久さんが想う『共振経営』を目指す一貫であり、トップとしての示しなのでしょう。
高原さんは自身を決して几帳面なタイプではないと話していますが、それでも継続してやっていると徐々に力がつき、大きな飛躍に繋がっていることを実感するといった経験談も語られていました。
ユニ・チャーム株式会社の業績・売上高
ユニ・チャーム株式会社、2020年12月期の連結決算における売上高は727,475百万円で前期714,233百万円とほぼ横ばいの結果となっています。
しかし、営業利益は95,849百万円で前期より+7%となりました。
ユニ・チャームでは2021年の連結決算は770,000百万円を予想していて、増収が見込めているようです。
ユニ・チャーム株式会社の特徴・強み
ユニ・チャーム株式会社の強みは“勝ちパターン”による持続的な成長であると考えられます。
グローバル展開も行っているユニ・チャームは常に現地の生活や消費実態を徹底的にリサーチして個々の国や文化に合わせた商品開発を行っています。そしてスピードを意識した営業・マーケティングを行うことで情報技術が進化した環境の中でも柔軟に対応可能な“勝ちパターン”が生まれているのです。
また、ユニ・チャーム株式会社では企業理念『NOLA&DOLA』に沿ってあらゆる世代の人々がさまざまな負担から解放されて平等に暮らせる共生社会を目指していることから、女性の社会進出やジェンダーに関する事柄にも積極的に活動を行っていることが特徴といえます。
2020年には2年連続『MSCI日本株女性活躍指数(WIN)』構成銘柄に選定されています。
ユニ・チャーム株式会社の評判・口コミ
ユニ・チャーム株式会社で働く社員の方々の口コミ・評判を調査してみました。
福利厚生に関しては全体的に満足に感じている社員ばかりのように感じました。
退職金、住宅補助、社員持株会社など手厚い補助があるようです。
営業は比較的、日々残業が続いているようでワークライフバランスを保つのは難しいと感じている方が多く感じましたが、リモートワーク推奨をきっかけに緩和したという口コミもありました。
社会貢献を目的とした事業が多いため働き甲斐があると感じている社員もいらっしゃいました。
まとめ
以上、ユニ・チャーム株式会社社長の高原豪久さんのまとめでした。
父である創業者のやり方をガラリと変えることには恐らく沢山の批判を浴びご苦労されたことでしょう。それでも結果を残し、自分らしいスタイルの働き方・企業へと導いた高原豪久さんのビジネスセンスを少しでも感じとっていただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。