赤坂祐二さんは日本航空株式会社(JAL)の代表取締役社長執行役員を務めています。
2018年4月より社長へと就任したのですが、JALでは初の整備部門から社長が誕生したということでも話題を呼んでいる人物です。
周囲からは“とにかく真面目”とも評されている赤坂祐二さんについて、今回は経歴や実績、家族構成、年収などについてご紹介します。
目次
赤坂祐二とは
北海道札幌市出身の赤坂祐二さんは入社31年目となる2018年に日本航空株式会社の代表取締役社長へと就任しました。
入社後ずっと技術職を極めてきた方で、JALの整備本部長やJALエンジニアリングの社長も務めていた経歴があります。
幼い頃、プラモデルが好きで近所にあった模型店によく通っていたそうで、特に戦闘機などの模型が好きで自宅の天井に自分で作った模型を吊るして下から眺めることが楽しみだったとインタビューでお話されています。
そして、プラモデルの趣味をきっかけに飛行機の設計に興味が湧き進学・就職へと至りました。
赤坂祐二さんを知る方々は“とにかく真面目”といった印象が強く、温厚な人柄も相まって整備部門では『天皇』という愛称をつけられています。
しかし、日本航空全体では際立って目立つ印象はなく、赤坂祐二さん本人も社長へ指名されると思っていなかったとインタビューで答えていて、“社長指名を受けた際に最も驚いたのは赤坂さん本人だった。”という関係者からの話もあります。
特に目立つ人物といったわけではないものの、株式会社JALエンジニアリングの代表取締役社長時代には確固たるリーダー性と決断力を発揮し、飛行機の安全運航基盤を創り上げてきたという確かな実績と真面目さが認められ、日本航空株式会社の社長に抜擢されました。
赤坂祐二のプロフィール
- 本名 :赤坂祐二(あかさか ゆうじ)
- 出身 :北海道札幌市
- 生年月日 :1962年1月3日
- 学歴 :東京大学大学院工学研究科航空学専攻修了
- 趣味 :スポーツ観戦
- SNS :無
赤坂祐二の経歴
赤坂祐二さんは東京大学を卒業後、大学院に進学し航空工学を学びました。
大学院に通っている最中の1985年に日本航空123便墜落事故が発生し、原因は圧力隔壁の金属疲労によって亀裂が生まれ損壊したと推測されています。
この悲しい事故をリアルタイムで見ていた赤坂さんは、このような事故を2度と起こしたくないという気持ちが強く、1987年4月に日本航空の技術系総合職(現:業務企画職技術系)に入社をしました。
その後、グループ長や安全推進本部長などを歴任し、2014年に日本航空株式会社 整備本部長 兼 株式会社JALエンジニアリング 代表取締役に就任しています。
2016年には常務執行役員へと昇格し、2018年に日本航空の代表取締役社長執行役員に抜擢されたのです。
植木義晴元社長から見た赤坂祐二さんは“リーダーシップを遺憾なく発揮できる人物”と評価されています。
現在、植木義晴元社長は取締役会長となり、赤坂祐二さんが代表取締役社長執行役員となっています。
赤坂祐二の現在
赤坂祐二さんは2024年4月現在、日本航空株式会社の代表取締役会長と安全統括管理者を務めています。
現在、日本航空では2025年に『空飛ぶクルマ』を用いた事業展開を目指して環境調査を大阪府にて開始しています。
2025年には大阪・関西万博が開かれるため、その際に空飛ぶクルマ『エアタクシー』サービスを計画しているのです。
エアタクシーはヘリコプターと似た機動性でタクシー事業の他、救急救命や災害対応にも活躍が期待されています。
赤坂祐二さんは“JALは空のプロフェッショナルとして安全・安心な総合エアモビリティ・オペレーションを通じてサステナブルな社会貢献を目指す。”と今後の取り組みの意気込みを語り、推進しています。
赤坂祐二の推定年収・資産
日本航空の2021年3月期の役員報酬総額は2億5800万円という発表があります。
個人個人の報酬についての発表はないため、正式な年収は不明ですが役員8名均等に分配すると1人あたりの年収は3,225万円となります。
そのため、赤坂祐二さんの年収は最低でも3,225万円以上と考えられるでしょう。
また、資産についても不明ですが日本航空の株式を7,300株保有(2021年11月時点)されているので、約2,000万円の資産は保有されていることが推測できます。
赤坂祐二の家族・結婚情報
赤坂祐二さんの自宅は千葉県にあります。
結婚されていて妻との間には娘が1人います。
その他にお子さんがいるかの情報は残念ながら見つけることができなかったのですが、赤坂さんの娘さんは現在JALのキャビンアテンダント(CA)を務めているとのことでした。
赤坂祐二の実績・偉業
赤坂祐二さんは大学院を卒業してから30年以上日本航空に大きな貢献をしてきた人物です。
そんな赤坂さんの実績や偉業については以下のとおりとなります。
安全運航の基盤づくり
赤坂祐二さんは日本航空への入社をきめたきっかけでもある『安全運航』に対して誰よりも想いが強い人物です。
現場では様々な経験を積み、実績と人脈を広げてきました。現在では整備業界で多彩な人脈のある有名人物です。
企業サイトの赤坂祐二さんのページでは“JALフィロソフィを率先垂範している”ことも説明されていて、尊い命を預かる使命感を現在も社長自ら大切に実行されています。
国際線格安航空会社『LCC』を設立
国内線の格安航空が人気を博す中、2019年に成田空港を拠点とする国際線中距離LCC『ZIPAIR Tokyo』を設立しました。
格安航空会社を設立した狙いについて赤坂祐二さんは“日本航空(JAL)の既存顧客とは異なる低価格志向の人々が利用してくれることを確信できたからです。”と答えています。
LCCをやらない選択肢はないと判断し、中距離LCCの設立によって海外から日本に人を呼び込むことで経済発展に繋がることも狙いとされているようです。
また、中距離国際線を選んだ理由は、設立当時は圧倒的に中距離LCCが少なかったからでした。
中距離LCCはゆとりある客室にする必要があり、座席数が減る・運航頻度が少ないといった理由から収益を上げることが難しいとされています。
これをJALのスケールメリットを生かし費用を抑えることができることから中距離LCCを実現させることができたのです。
2021年現在では長距離LCCとしてホノルル行とロサンゼルス行も運航していて、多くの方に利用されています。
タレントシェアサービス『JOB HUB TRAVEL』の共同リリース
2019年に株式会社パソナJOB HUBと赤坂祐二さんが代表を務める日本航空株式会社で『JOB HUB TRAVEL』サービスをリリースしました。
このサービスは都市部で働く人材の副業を推進することを目的としていて、都市部の人材と地方の中小企業とのマッチングシェアを行っています。
JALでは航空輸送事業で培ってきたノウハウやネットワークを活かしてマッチングを行った人材の移動支援やパソナJOB HUBのコンセプト“旅するようにはたらく”をサポートし、国内外の交流人口拡大や物流の活性化の発展を目標としています。
日本航空株式会社(JAL)とは
日本航空株式会社(Japan Airlines Co. Ltd)は通称『JAL』と呼ばれています。
会社のロゴマークには当時の社長である柳田誠二郎さんの自家家紋を参考に『日の丸』と『鶴(タンチョウ)』をモチーフにしたデザインが施されていて、『鶴丸』という名で日本航空のシンボルマークとして1959年に商標登録されて以来、親しまれてきました。
一度はこの鶴丸のロゴは廃止となりましたが、2011年に再採用が決まり、現在はよりスピード感を感じる様に翼の切れ込みが深くなったデザインとなっています。
2020年に新たなスローガン『Fly for it!一緒なら、もっと飛べる』を発表し、アスリート応援や未来に向けてレガシーを残していきたいという想いが込められています。
2021年に行われた東京オリンピック・パラリンピックではオフィシャルエアラインパートナーにもなり、今後も様々なプロジェクト展開を行っていくことが発表されています。
日本航空株式会社の歴史
日本航空の設立は第二次世界大戦の終結(1945年)した後、GHQ(連合軍最高司令官総司令部)により停止されていた運航禁止期間が1950年6月解除され、1951年1月に日本航空創立準備事務所を設立しました。
同年5月には国内航空運送事業の免許を取得し、1951年8月に『日本航空株式会社』が誕生しました。
1951年10月25日に戦後初の国内民間航空定期便として、羽田空港ー伊丹空港(大阪)ー坂付空港(福岡)を繋ぐ便の運航を開始し、その後千歳空港(北海道)も開始するなど領域を拡げていきます。
1954年2月2日より国際線の運航も始まり、羽田空港とホノルルーサンフランシスコ線の運航が開始しました。
2010年1月に会社更生法の適用を申請し、一度破産を行った経験もありますが経営再建によって2012年9月に再上場を果たしています。
現在も国内・海外共に領域を拡大しサービスも向上を続け、現在の日本航空株式会社へと至っています。
日本航空株式会社(JAL)のサービス・事業内容
日本航空株式会社のメイン事業は『航空運送事業』です。
日本航空株式会社では特に国内線が強く路線数は132(2021年11月時点)です。離島や地方都市にも便があり、『地域創生』の担い手として地域復興にも取り組んでいます。
その他にもJALグループでは『パッケージ旅行の販売』『クレジットカード事業』『農業事業』『ビジネスジェット事業』『無人オペレーター養成事業』など、様々な事業を行っていますが、今回はメイン事業となる『航空運送事業』の業務やサービス内容についてまとめました。
空港旅客サービス
グループ会社の株式会社JALスカイが中心に運営を行っているサービスで、これから飛行機に乗るために空港へ足を運んだ旅客者のチェックインや手荷物受付、出発ゲートのご案内、情報コントロールなどの幅広い対応を行う業務です。
『ステーションオペレーション』といって運航に関わる情報を地上からタイムリーにパイロットや空港のスタッフに伝える業務など、普段私たちは目にかかることのない事務的な業務も行いスムーズな空の旅をサポートしてくれています。
また、ファーストクラス利用者や上級会員等が利用できる『JALラウンジ』の接客もJALスカイのスタッフが中心となってサービス提供をしています。
グランドハンドリング
主にJALグランドサービス・JALスカイエアポート沖縄が運営していて、チェックイン等で旅客者より受け取った手荷物や貨物を飛行機へ搭載したり、航空機の誘導を行います。
その他にも、飛行機の客室や機体外部のクリーニング業務や国賓・公賓などが利用する特別便のハンドリングも日本航空株式会社が担うこともあります。
整備
JALメンテナンスサービス・JALエンジニアリング等が主となり運営しているサービスです。
航空機やエンジンの整備業務や部品管理を行い、機体の塗装業務も行っています。
その他にも、日本航空株式会社が保有している航空機やエンジンは大部分が外国にて設計・製造されていることから技術資料等は各国の管理当局より発行されます。
そういった資料の管理やマニュアルの翻訳も担っています。
貨物
日本航空の物流サービスです。JALカーゴサービスが主となり運営しています。
国内・国際貨物や郵便物の取り扱いを行っていて、搬入作業からトラックへの積み込み作業までを担い、確実で安全に貨物の引き渡しを行います。
また、ロジスティクスサービスとの提携で上屋では貨物ハンドリング・仕分け・配送のトータルサービスも行い高品質な物流サービスを実現させています。
空港周辺事業
JALの機内で食べられている機内食を作ったり、荷物の宅配やスマートフォンレンタルなど、飛行するにあたって必要な細かなサービスを空港周辺で行っています。
機内食は四季折々に合わせた料理の提供を意識し、搭乗クラス毎に様々な機内食を用意しています。
またパイロットには別メニューが用意されていて、フライトに3名のパイロットが搭乗している際はそれぞれ別々のメニューが提供されているそうです。
この理由は食中毒に万全の備えをするためで、安心安全な空の旅を提供するための策となっています。
旅客販売
航空券の販売を行うサービスです。
電話によるチケット予約案内や、JALの飛行機を利用した国内・国外旅行のパッケージプラン販売なども行っています。
日本航空株式会社(JAL)の業績・売上高
日本航空(JAL)の2020年度の決算結果は2,866億円の赤字となりました。
これは、2020年より発生した新型コロナウイルス感染症による影響が大きく響いており、国内旅客収入は前年比67.2%減・国際旅客収入は前年比94.3%減となっています。
日本航空株式会社では中間経営計画にて“2023年にはEBIT(利払前税引前利益)をコロナ禍前の水準である1,700億円へ戻す”ことと、直近の目標から2050年にはCO2排出実質ゼロ実現を目指すことを発表したと共に、今後のリスクにも耐えうる事業構造の構築を行っていくことが発表されています。
日本航空株式会社(JAL)の特徴・強み
日本航空株式会社の特徴・強みは“お客様へのサービス精神”でしょう。
世界の航空会社の格付けで最高ランクといわれている『ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ』の認定を得ていることに納得がいくほど、常にお客様のことを考えた柔軟性の高いサービスを提供しています。
このようなサービスが行える理由は人材育成を第一に考えているからです。
JALでは社員ひとりひとりの個性や能力を大切にし、個々の能力を最大限に活かせる場に配置しサービスの提供を行うことでサービスの品質向上に繋げています。
日本航空株式会社(JAL)の評判・口コミ
日本航空で働く社員の方々の口コミや評判についてご紹介します。
福利厚生についての評判
全体的な評価として、大手企業ということもあって福利厚生に満足していると感じている社員が多いようです。
社員寮もあり利用している方も多いようですが、建物は古い事が多いというマイナスなコメントもありました。
ワーク・ライフ・バランスについての評判
働き方についてはワークライフバランスが非常に優れた勤務体系であるという口コミがあります。
女性社員が多い企業ということもあり、働くママや介護を行っている場合は『深夜免除制度』がある等、安心して仕事を続けられる体制ができているようです。
しかし全体的には朝早く、夜が遅い部署が多いなど多忙なことが多いため家族の協力が絶対的に必要である職種だといえます。
働きがいについての評判
働きがいのある企業だと感じている方がほとんどで、老若男女問わず様々なバックグラウンドをもったお客様と接する機会が多いので自分自身の感性も磨くことができるといる口コミもありました。
まとめ
以上、日本航空株式会社の代表取締役執行役員の赤坂祐二さんのご紹介でした。
赤坂祐二さんはJALの社長として様々なインタビューでお話されているのですが、どれも真面目さが伝わってきて、非常に人柄が伝わる内容ばかりです。
また、言葉のボキャブラリーが豊富な印象もあり、JALの機内で読むことができる雑誌『SKY WARD』の赤坂祐二さんの社長挨拶ページを楽しみにしている方もいるという情報もありました。
整備士初の社長として、新たな目線で今後も日本航空株式会社を成長させてくれることでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。