時田隆仁さんは富士通株式会社の社長です。
富士通株式会社としては11年ぶりにシステムエンジニア出身から社長が誕生したことでも話題となり、注目を浴びている人物でもあります。
社長就任後、即座に服装の自由化を発表し自身もジーンズ姿で出社していることでも有名な時田隆仁さんはいったどのような人物なのでしょう。
今回、国内IT業界・就職人気企業ランキングのメーカー部門で1位も獲得している富士通の社長である時田隆仁さんについて、経歴や年収などを交えて詳しくご紹介します。
目次
時田隆仁とは
時田隆仁さんは東京都出身で、高校卒業後は東京工業大学 工学部金属工学科に進学し、銅の粒界エネルギーの測定について研究していました。
大学卒業後に大学の教授の勧めで富士通へ入社し、システムエンジニアとして生命保険会社や金融業界を担当しながらキャリアを築き、出世の道を歩みます。
システムエンジニアの出身でありながらもグローバル化に関しても一定の考えをもっていることが高く評価され、富士通株式会社の新社長として2019年に就任しました。
常に倫理的で冷静な判断と実行力を兼ね備えていることから、就任から2年経った今も厚い信頼を得ています。
時田隆仁のプロフィール
- 本名:時田 隆仁(ときた たかひと)
- 出身地:東京都
- 生年月日:1962年9月2日
- 学歴:東京工業大学 工学部金属工学科 卒業
- 趣味:ゴルフ
- SNS:無
時田隆仁の経歴
時田隆仁さんは富士通に入社当初は研究所への推薦があったそうです。
しかし、本人は営業部への配属を希望したのですが結果としてシステムインテグレーション部門にてシステムエンジニア(SE)となりました。
SE時代には生命保険会社やメガバンクなどの金融関係のプロジェクトを中心に担当しキャリアを積みます。
時田さんは当時の経験を振り返り“メガバンクのシステムトラブルの対応では非常に精神面が鍛えられた”とも述べていて、そのくらい大変な仕事であったことを語られていました。
2014年には経営幹部として昇格し、金融システム事業の本部長となります。
2015年、執行役員グローバルサービスインテグレーション部門金融システム事業本部長兼セーフティソリューション事業本部担当に就きます。
2017年、ロンドン赴任となり、執行役員常務グローバルデリバリーグループ副グループ長、2019年には同役職のグループ長に昇格しました。
そして同年6月に富士通株式会社の代表取締役社長へと就任します。
時田隆仁の推定年収・資産
富士通の有価証券報告書を確認すると2020年度の時田隆仁さんの報酬は総額1億2千万円となっています。2021年3月には年収2億3,000万円という報告も見つかりましたので、富士通の社長として実績を残していることが窺えます。
他にも富士通の持ち株を0.001%(1,000株)保有していて、自宅は東京都世田谷区のマンションという情報もありますので資産も億超えが予想できます。
時田隆仁の家族・恋愛・結婚情報
時田隆仁さんは結婚されていて、妻と息子(長男)の3人家族です。
長男の年齢は不明ですが、奥様と共に大切に育てられているのでしょう。
もしかするとロンドン赴任にも共に行っていた可能性もあるのでバイリンガルかもしれません。
また、愛犬もいるそうで休日は愛犬と散歩をして楽しんでいるとインタビューで答えられています。
富士通株式会社とは
時田隆仁さんが社長を務める富士通株式会社は、日本の総合エレクトロニクスメーカー(電子工学企業)です。
世界100ヵ国以上でビジネス展開を行い、環境保全にも積極的であることで有名な企業となります。環境保全に関しては“IT機器における省エネ・電力節約などでCO2排出を現象させる技術利用において最も優れているITベンダーランキング”にて2年連続世界1位を獲得した成績もあります。(2011年)
富士通(FUJITSU)のロゴマークには無限大を意味する『∞』が記されているのですが、これは富士通株式会社がもつ“無限の可能性”を表現しています。
また、ロゴマーク内では『地球』と『太陽』も意味していて、宇宙がイメージされ無限であることを表しているのです。
会社のイメージカラーは赤色で、これは『チャレンジ』『人間的』『エキサイティング』な企業を象徴しています。
国内・海外共に市場が広がっている富士通ですが、国内サービスの更なる拡大を目指して2020年に新たな富士通グループ会社『富士通japan株式会社』を発足しています。
富士通株式会社のサービス・事業内容
テクノロジーサービスを通じて私たちを支えてくれている富士通株式会社では7つの事業に分けてサステナブルな世界を目指し、日々企業努力をされています。
その7つの事業・サービス内容は以下の通りです。
サステナブル マニュファクチャリング
『Sustainable Manufacturing=持続可能な未来型製造技術』を意味しています。
日々の生活における予測不可能な出来事でも柔軟に対応するために、業種・業界・国を超えて製造工程のデジタル化を図る事業です。
製造工程をデジタル化することで、設計から製造までの工程は全てデータを介して従業員同士が連携かるリアルタイムでの共有が可能となり、仕事高率のアップが見込めます。
また、富士通が得意とする環境に配慮したエコシステムにて構築されるので、現代社会における環境問題にも対応することが可能です。
コンシューマー エクスペリエンス
『Consumer Experience=消費体験』を意味しています。
人々の生活や価値観の多様化によって、小売業等では新たなカタチ変更が迫られている現代では消費者と小売業・サプライチェーン事業の連携が非常に重要視されています。
富士通株式会社では契約している企業と細かな打ち合わせを行い、AI技術やテクノロジー技術によって多様な購買体験を実現・データ解析による破棄ロスなどの社会環境の負荷軽減のために新たな消費のカタチ提供を行っています。
ヘルシー リビング
『Healthy Living=健康で豊かに生きる』を意味し、色んな人々の生活を最大化し、誰もがイキイキと活躍できる世界の実現を目指し努力をしている事業です。
富士通が持つAI技術を使い医療現場が望む機器を開発し提供することで、がん遺伝子の研究のスピードが大幅に短縮されたという事例もあります。
近年、病気は治療ではなく“予防”が重要とされている傾向の中、富士通の技術でひとり一人の意思に寄り添ったケアが行える社会実現を目指しているようです。
トラステッド ソサエティ
『Trusted Society=信頼ある社会』を意味しています。
地球環境の配慮を行いながら、より社会生活を安心・安全な信頼あるものにしていくために富士通株式会社ではビジネスパートナーと共にテクノロジーの社会実装を促進しています。
AIで道路上の異常走行や立ち往生の検知、消防救急システムのデジタル無間システムの他、離島で生活する人々の新たな交通・物流手段の創出によって人々の暮らしがより豊かになる、環境ファースト・レジリエントな社会実現を目指している事業です。
デジタル シフト
DX社会に向けて前進を続けている中、ビジネスパートナーの働き方改革にテクノロジーを通じてサポートを行う事業です。
AIを活用し人的予測などを行うことで破棄ロス・機会ロスに成功したという事例もあります。
富士通自身もDX企業への実現を加速させていて、2017年より導入していたテレワーク制度も2020年の緊急事態宣言発令をきっかけに増加。現在もニューノーマルな働き方を常に模索しているそうです。
自らの会社で変革継続を行うことで、その経験や知識を、サービスを通じて提供することが可能となっています。
ビジネス アプリケーション
製造プロセスの一気通貫やソフトウェアサポートの一元管理など、最新のアプリケーションを通じて持続可能なビジネスを支える事業です。
富士通ではグローバル基準のエコシステムとエンジニアリングリソースにて最新アプリケーションを用いてパートナー企業に最適なサービスを提供します。
グループ会社である『株式会社富士通コンピューターテクノロジーズ』では、顧客情報・商談情報を共有できるアプリケーション利用により組織全体の可視化に繋がり生産性の向上に繋がった事例があります。
ハイブリッド IT
富士通のコア技術を使用して、パートナーエコシステムで安全かつ確実に繋がるデジタルインフラを提供する事業です。
現在は海外を中心にサービス提供が行われていて、業種や企業の壁を越えたデータ連携やサービス実現を目指しています。
時田隆仁の実績・偉業
時田隆仁さんが社長になってからの偉業や実績を、以下にてご紹介します。
服装の自由化
時田隆仁さんが新社長として就任した2019年8月に富士通株式会社では服装の自由化を決めました。これにより、価値観や発想の変化や組織の壁を越えてオープンなコミュニケーションや議論が活発になることを目指していて、社長自身もスーツではなくTシャツにジャケット・ジーンズを履いて出社する姿が何度も目撃されています。
IT産業の代表ともいえるアメリカのシリコンバレーでは、服装はもちろん働き方全てにおいて自由であることが“標準”とされています。日本のIT界の老舗である富士通が動き出したことによって、同年10月に同業であるNECも服装の自由化を決定しました。
時田隆仁さんは日本のIT産業がグローバル標準となりつつあるきっかけを実行に移したのです。
DX企業への転換
富士通株式会社というとコンピューターをメインとした機器メーカーとして成長を遂げてきましたが、近年はシステム会社へと路線を変更しています。
技術に優れている富士通株式会社ですが、AIやIoTとなると他社との競争は激しく苦戦が続いているのが現状であるため、時田隆仁さんは更なる発展をめざし『DX企業への転換』を決意しました。(※DX=デジタルトランスフォーメーション)
2020年4月にDXビジネスの新会社『Ridgelinez(リッジラインズ)株式会社』を設立し、ビジネスパートナー様を進化したデジタル技術によって働き方を変革することを目指しています。2~3年後に売上高200億円前後を目指し、Ridgelinezの社長:今井俊哉さんとともに変革に取り組んでいます。
経営のスリム化
これは時田隆仁さんが社長に就任する前から富士通が取り組んでいた戦略なのですが、時田さんも経営のスリム化を行っている最中なのです。
まず総務や人事等、国内の事務部門の約25%を営業やシステムエンジニアへと職種異動させ、代表取締役を含む役員数は57人から24人へと半数に減らしました。
職種異動の狙いはコストの調整とDX企業に向けてエンジニア不足の解消です。
富士通では現在、積極的なヘッドハンティングも行いながら将来に向けてエンジニア等の人員確保を行い、経営改革を進めています。
SI系グループ会社の再編
2021年4月より富士通のSI系のグループ会社を再編し、15社中11社をジャパン・グローバルゲートウェイに統合しました。統合を行った狙いは“各社の強みを集約し、グループ全体の総合力を強化。重複投資の抑制や費用削減などのコストカット”です。
グループ内の競争率も向上し、更なる生産性の向上を図っています。
富士通株式会社の業績・売上高
富士通株式会社の2021年3月連結決算は売上高3兆5,897億円となっています。
前期比-7%となっていますが、営業利益は2,663億円と+26%で20年ぶりに過去最高の結果です。
純利益は2027億円となり、富士通史上初の2,000億円を突破しました。
2022年の連結決算は売上高3兆6,300億円と前期比+1%が見込まれています。
富士通株式会社の歴史
富士通株式会社は1923年に古河電気工業とシーメンス社(ドイツの電機メーカー)が発電機と発動機の国産化をするために『富士電機製造株式会社(現:富士電機株式会社)』を設立したことが原点となっています。
その後、電話部署管業務を分離し『富士通信機製造株式会社』が設立されたのが今の富士通株式会社となり、富士通株式会社に商号を改称したのは1967年です。
富士電機製造株式会社とはお互いの株を持ち合ったり、役員を出し合ったり、共同で新しい会社を設立したりと兄弟会社のような関係を築いていましたが、取締役相互派遣停止となり現在は互いの株を売却しています。
富士通株式会社の特徴・強み
富士通の強みは国内シェア第1位である業績や独自の技術力でしょう。
法人・個人関係なく幅広いジャンルの産業をIT技術を駆使して環境保全や働き方改革に貢献しています。
様々な状況にも柔軟に対応できるノウハウも十分に備えているので移り変わりが激しいIT産業などにも即座に対応可能です。
また、世界100ヵ国以上に拠点があるので、海外向けに事業を展開しているビジネスパートナーのサポートも万全です。
グローバルにも対応可能なところも富士通株式会社の大きな特徴であり強みといえます。
富士通株式会社の評判・口コミ
富士通株式会社で働く社員の方々の評判や口コミを調査しました。
緊急事態宣言などによるテレワークの加速によって働き方は大きく変化したと感じる中、家賃補助は実家から90分以上が条件など福利厚生の規則内容に矛盾が起こっていると感じている方もいました。
しかし、 オフィスのリニューアルにより『快適に仕事をすることができるようになった』『子育て中の女性社員も多く、働くママに対する理解度が高い』『公募制があるので自分が望んだ環境で仕事にチャレンジできる』など働き方に満足している社員も多く見つかりました。
時田隆仁の現在
時田隆仁さんは現在も富士通株式会社の社長を務めています。
M&Aなどによる企業成長も目標としている時田隆仁さんは2021年10月末にイスラエルのスタートアップAutofleetと資本業務提携を行いました。
AIによる予測や最適化技術を要板物流車両との高精度なマッチングプラットフォームを構築しているAutofleetと提携することで、物流産業における労働力不足の解消や環境問題にも対応できる物流ソリューションの開発を目指しています。
時田隆仁さんは現在も、環境問題などによる社会課題解決に向けてサステナブルな事業開拓を日々行っているようです。
また、富士通全体として現在取り組んでいるのは「グローバルビジネス戦略の再構築」、「日本国内での課題解決力強化」、「お客様事業の一層の安定化に貢献」、「お客様のDXベストパートナーへ」、「データドリブン経営の強化」、「DX人材への進化および生産性の向上」、「全員参加型、エコシステム型のDX推進」の7つ課題解決です。
これに関して、時田隆仁さんは進捗が順調であることを会見で説明していました。
まとめ
時田隆仁さんの紹介は以上となります。
富士通株式会社のトップとして現在も経営戦略に取り組まれていて、2021年度は売上収益3兆5,000億円を目標として掲げています。
時田隆仁さんについて、この記事を通して少しでも知識を深めていただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。