大山健太郎さんはアイリスオーヤマグループの会長であり、アイリスオーヤマ株式会社の創業者です。
アイリスオーヤマというと世界初のプラスチッククリア収納の発案者で、ここ数年間で生活家電などの発売により大手メーカーと共に名を連ねるようになりました。
創業者となる大山健太郎さんはどのような人生を歩まれている方なのか、今回は経歴や実績、年収などを交えてご紹介します。
目次
大山健太郎とは
大山健太郎さんはアイリスオーヤマ株式会社の創業者で、現在はアイリスグループの会長に就任しています。
アイリスオーヤマの前身は『大山ブロー工業』で大山健太郎さんの父が設立した町工場です。プラスチック成型品を作る工場でしたが、父親にがんが見つかり高校3年生の時に他界されました。本来は大学へ進学予定だった大山健太郎さんですが、進学を断念し家業である大山ブロー工業を継ぎ、19歳という若さで町工場の代表となりました。
その後、アイリスオーヤマ株式会社へと改称を行い数々のヒット商品を生み出す有名企業へと成長させた人物です。
アイリスオーヤマの本社が仙台市におることから、大山健太郎さんは仙台経済同友会終身幹事、東北経済連合会副会長、復興庁復興推進委員会委員など、東北地方での活動を積極的に行っています。
さらに、中国大連市に多くの工場を設置していることから2004年に中国大連市名誉公民を授与され、2009年には藍綬褒章受勲、同年仙台市特別市政功労者賞を授与。2017年に旭日重光章受勲を授与されるなど、数多くの功績を残しています。
大山健太郎のプロフィール
- 本名 :大山健太郎(おおやま けんたろう)
- 出身 :大阪府南河内郡道明寺村
- 生年月日 :1945年7月3日
- 学歴 :大阪府立布施高等学校 卒業
- 趣味 :ゴルフ・音楽鑑賞・ジョギング・水泳
- SNS :無
大山健太郎の経歴
高校3年生の時に父が突然の病で倒れ、他界したことをきっかけに8人兄弟の長男である大山健太郎さんが家業である『大山ブロー工業』を継ぎました。
当時は下請け業者となり、依頼のあった商品をプラスチック成型品として製造していましたが、仕事をしていく中で大山さんは、“なんとしても自社製品を作りたい”という気持ちが強まっていきます。
まずは競合相手の少ない農業・水産業の製品開発から取り掛かり、水産業で使用する機器の錆びに着目したプラスチック自社製品を作り漁業組合などに売り込んで下請け業者からメーカーへと変貌を遂げました。
1973年のオイルショックによる大打撃で倒産の危機に陥った過去もありますが、それを乗り越えた大山健一郎さんの最大の閃きは1987年に起きました。
1987年5月連休の早朝に大山さんは友人と海釣りに出かける際に厚手のセーターを着ようと自宅の中身の見えない収納箱を次々と開けるのですが一向に見つかりませんでした。
妻はまだ寝ていましたが起こして一緒に探すも見つからず、友人を待たせていることでもイライラが募り夫婦喧嘩にまで発展しました。
この出来事をきっかけに大山健一郎さんは“中身の見える透明な収納があれば便利に違いない”と確信し『クリア収納ケース』の開発を始め、世界的ヒットとなります。
2018年にアイリスオーヤマ株式会社の社長を退任し、後任は息子(長男)の晃弘さんが就任しました。大山健一郎さんはアイリスオーヤマ株式会社の代表取締役会長となり、今に至ります。
大山健太郎の推定年収・資産
大山健太郎の2012年の年収は6,200万円という情報が見つかりました。
2012年のアイリスオーヤマ全体の売上高は1,100億円となっていて、2020年には6,900億円まで成長していることから、年収も約6倍となっている可能性も考えられます。
上記でも記載したように、アイリスオーヤマは株式を公開していないため役員報酬などの発表がありません。
しかし、会長へと就任・会社が成長していることもあり年収億超えは間違いなさそうです。
大山健太郎の家族・恋愛・結婚情報
大山健太郎さんは結婚されていて、妻は元・仙台空港の職員として働いていたそうです。
お子さんは2人いて、長男の大山晃弘さんは現在のアイリスオーヤマ株式会社の社長です。
アイリスオーヤマの成功の陰には妻が立役者として存在しているという情報もあり、庭いじりが好きな妻から子供たちと一緒に園芸の基本を一つ一つ学び、新商品のアイディアを練った過去もあります。
世界初となるクリア収納ケースの発案きっかけも妻との喧嘩であることから、大山健一郎さんのアイディアの陰には常に奥様が関わっていたのかもしれません。
大山健太郎の実績・偉業
大山健太郎さんはアイリスオーヤマ株式会社の創業者ということもあって、数々の実績を残してきた人物です。
以下にて、その実績や偉業をご紹介します。
世界初・プラスチッククリア収納を開発
1989年に世界初の『クリア収納ケース』を発売し爆発的ヒットを生み出しました。
当時は透明性の高いポリプロピレン樹脂は非常に希少で高価なものだったので、商品開発は難航していましたが、大山健太郎さんは比較的安価な商品にこだわりを持っていたため、注射器用の原料を扱っていたメーカーに協力をお願いし、共同研究を開始したのです。
そして、発案から2年が経ち見事製品化することに成功しました。
発売を開始した当初は取引先から“非常識”とまで呼ばれた製品でしたが、不透明な収納ケースと並べて販売を行ったところ、大山健太郎さん達が開発したクリア収納ケースは飛ぶように売れたそうです。
そうして、現在では日本だけでなく世界中でクリア収納ケースが愛用されるようになりました。
大手家電メーカーの元技術者を大量雇用
2012年頃、大手家電メーカーは海外の競合家電メーカーの影響で不況に陥り、大規模なリストラを断行していました。
長年技術職を支え続けてきたベテランエンジニアが次々と職を失ったのですが、大山健太郎さんはリストラを受けた技術者を大量に採用し、同時に家電事業も開始します。
アイリスオーヤマの“アイディア”とエンジニアの“ノウハウ”をミックスすることで、2017年にはシャープ出身の雨堤正信さんがスマホから遠隔操作できるエアコンの開発に成功し大ヒットを生み出しました。
アイディアから製品化までのスピード感を重視
大山健太郎さんは商品開発から店頭へ並べるまでのスピード感を非常に大切にしています。
アイリスオーヤマ株式会社では毎週月曜日の午前中に『商品開発会議』を行い、開発者たちが社長の大山健太郎(現:会長)さんに直接プレゼンをして製品化を進める大切な会議です。
大山健太郎さんは製品のアイディアももちろん大切にしていますが、最も重要視しているのは“いくらで売れるのか”だとインタビューで答えています。
会議の中でも製品内容よりもお客様目線の価格とコストを合わせることが絶対条件とされているのです。
また、無事に製品化がきまった場合も即座に中国の工場と連携を取り製造を開始します。
製造までスピーディに行う事が出来る理由は常に3割の工場ラインを確保しているからです。
大山健太郎の現在
大山健太郎さんは現在もアイリスオーヤマ株式会社の代表取締役会長です。
大山健太郎さんは現在もアイリスオーヤマの株式公開を行っていません。
年間5,000億円を超え、大企業とも呼べる企業でありながら株式上場を行わない理由について大山さんはインタビューにて、『事業内容よりも”創業の理念”がきちんと引き継がれることが大切。そのためには血の繋がった人間による”株式非公開の同族経営”が一番いいように思われる』と答えています。
2代目社長である大山晃弘さんも株式公開を行う予定は今のところないと発表しています。
アイリスオーヤマ株式会社とは
アイリスオーヤマ株式会社は、生活用品・家電を中心とした企画、製造、販売を行っている会社です。
名前の由来は創業当時、主に生産を行っていた園芸用品のブランド名『アイリス』と社長の苗字である『大山』を掛け合わせて『アイリスオーヤマ』という名称となりました。
また、ギリシャ神話では『アイリス=虹の女神』という意味もあり、“お客様との虹の架け橋になりたい”といった願いも込められているそうです。
会社のロゴマークにはハートを使用していて、“優しく心がこもっている”という意味が込められています。
アイリスオーヤマ株式会社の歴史
アイリスオーヤマ株式会社の前身は大山健太郎さんの父である大山森佑が創業した町工場『大山ブロー工業所』です。
1991年にアイリスオーヤマ株式会社へと社名を変更し、今に至ります。
元々はガーデン用品を中心に開発・販売を行っていましたが、大山健太郎会長の夫婦喧嘩をきっかけに“中身の見える収納”の必要性を見出し、世界初の『クリア収納ケース』を開発しました。
その後、家電製品や照明の開発も開始し、大手電気会社を退職した人材を大量採用し高性能な家電用品を次々と開発しヒットさせています。
2014年4月にはグループ企業『アイリスプラザ』がホームセンター『ユニディ』を運営する株式会社ユニリビングの株式を取得し子会社化しました。
ユニディではアイリスオーヤマの家電製品や調理器具・日用品・食品などを中心に販売を行うようになり、実質的にアイリスオーヤマのホームセンターが誕生しました。
アイリスオーヤマ株式会社サービス・事業内容
アイリスオーヤマ株式会社では非常に多くの事業展開をおこなっています。
時代や環境の変化に合わせて成長を遂げてきたアイリスオーヤマの事業を4つに分けて以下よりご紹介します。
BtoC事業
“BtoC=ビジネスコンシューマー(Business to Consumer)”の略称です。
アイリスオーヤマ株式会社にて開発・製造した商品をお客様に販売する、会社のメイン事業となります。
アイリスオーヤマでは『SGR=機能はシンプル・価格はリーズナブル・品質はグッド+なるほど』の4つのコンセプト掲げ、年間約1,000点の新商品を開発・販売し、生活者の不満不便解消に貢献しています。
開発商品は『家電』『食品』『収納・インテリア』『ペット』『ハード・園芸』『ハウスウェア』『ヘルスケア』用品で、ヒット商品の代表格はプラスチック収納や布団乾燥機などが挙げられます。
ネット通販事業
アイリスオーヤマ株式会社では公式通販サイトやECモールサイトのWEB店舗によるネット通販事業も行っています。
EC業界の市場拡大に伴って開始した事業で、今後もアイリスオーヤマの会社成長の柱として拡大を続ける方針です。
流通の無駄をカットするために物流センターの中に製造工場を設置しました。国内9カ所に工場を配置し、国内すべての取引先との配送圏を1日としています。
BtoB事業
“BtoB=ビジネス対ビジネス(Business to Business)”の略称です。
『LED照明事業』『オフィス家具事業』『店舗什器事業』『loTソリューション事業』『建装・内装事業』『スポーツ施設事業』『ロボティクス事業』を行っています。
法人向けLED照明事業から始まったBtoB事業は現在、様々な事業拡大を行い今に至ります。
メーカーベンダーとして経験を積んできたアイリスオーヤマだからこそ、ビジネスシーンでもユーザー目線発想にて総合的・複合的な提案が可能となっています。
海外事業
アイリスオーヤマグループでは、海外に8社18工場を設置し世界にも商品提供しています。
活動拠点は『アメリカ』『中国』『韓国』『台湾』『ベトナム』『タイ』『オランダ』『フランス』の8ヵ国で、各国の生活文化に合わせた“ユーザーイン発想”にて商品開発をおこなっています。
また、国内と同じくBtoB事業も展開していて中国の日系企業を中心にLED照明の導入も積極的に行っています。
アイリスオーヤマ株式会社の業績・売上高
2020年度の決算で、アイリスオーヤマグループの連結決算は過去最高の6,900億円であると発表がありました。
前年比38%増という好成績で、経常利益も9.0%の増収増益となっています。
アイリスオーヤマのみでの売上高も2,085億円と過去最高を記録し、その理由としてマスクやサーキュレーターの売上げが伸びたことが要因とされています。
他にも巣篭り需要により電気圧力鍋を始めとした調理家電やリモートワークによるデクスやチェア、ディスプレイモニターも非常に売れたことが過去最高の売上高を記録した大きな要因であることが発表されています。
アイリスオーヤマ株式会社の特徴・強み
アイリスオーヤマ株式会社の強みはスピーディさにあるといえるでしょう。
毎週月曜の午前中には『新商品開発会議』が行われ、社員が次々と新商品のアイディアをプレゼンします。プレゼンの場で商品化の可否が決定し、午後には商談や業務に取り掛かるといった流れが定番となっているので商品化までのスピードがとても速いことが特徴です。
製造工場では常に3割の空きスペースを確保し、新商品の製造にすぐ取りかかる事ができるようになっています。
また、年間1,000点以上の商品開発をおこなっているアイリスオーヤマの商品アイディアが尽きない理由は開発者たちも普段の生活を通じて料理や掃除、花植えやペットと暮らし“生活者の立場にたつ”ことを大切にしているからです。
アイリスオーヤマ株式会社の評判・口コミ
アイリスオーヤマ株式会社で働く社員の口コミや評判を調査しました。
アイリスオーヤマは商品開発に注力を注ぐ会社であることから実力主義であると感じている社員が大半を越えているようです。
リモートワークについては部署によって可能ですが、営業職は基本的に出社しないと都合が悪いと答えている社員が目立ちました。
ダイバーシティについては海外に工場も設置していることから性別や人種、国籍の壁は全く感じないが障害者雇用についてはあまり積極的に取り組んでいる印象はないそうです。
福利厚生はしっかりしていて、家賃補助や産休・育休などの制度に満足していると口コミしている方が多く見つかりました。
まとめ
大山健太郎さんの情報まとめは以上となります。
年々成長を遂げているアイリスオーヤマ株式会社が何故ここまで好調なのか、その背景には会長で創業者である大山健太郎さんの実績が直結しているのだということが理解していただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。