尾山基さんは株式会社アシックスの代表取締役会長兼CEOです。
アシックスというと各スポーツ界に合わせたシューズやウェアを中心に製造・販売している会社で、2020年東京五輪ではスポーツ用品部門唯一のゴールドパートナー(国内最高水準スポンサー)になったことでも話題となりました。
尾山基さんは“アシックス復活の立役者”として業界内では有名で注目度の高い社長の1人です。
今回はそんな株式会社アシックスのCEOである尾山基さんの経歴や実績、年収、家族構成などについてご紹介します。
目次
尾山基とは
尾山基さんは株式会社アシックスの会長CEOです。
アシックスの会長CEOの他にも『世界スポーツ用品工業連盟』の会長や、『日本スポーツ産業学会会長』・『神戸商工会議所副会頭』・『有恒会会長』なども歴任している方です。
尾山基のプロフィール
- 本名 :尾山 基(おやま もとい)
- 出身 :石川県白山市
- 生年月日 :1951年2月2日
- 学歴 :大阪市立大学商学部 卒業
- 趣味 :水泳・ランニング
- SNS :無
尾山基の経歴
尾山基さんは石川県白山市出身で、地元の石川県金沢泉丘高等学校卒業後に大阪へ上京し、大阪市立大学商学部へ進学します。
1974年に同大学を卒業し、総合商社の日商岩井株式会社(現:双日株式会社)へ入社します。日商岩井時代はナイキジャパンの設立イシュー(問題・課題)に関する業務を担当していたこともあるそうです。
1982年に株式会社アシックスへと転職しますが、当時の日商岩井の上司から”なんで靴屋に行くんだ?“と言われた過去があることも明かしています。
尾山基さんがアシックスへ転職した理由は尾山さんの妻にあります。
妻は創業者である鬼塚喜八郎さんの娘で、尾山基さんは娘婿でもあるのです。鬼塚喜八郎さんは娘の結婚前に“婿(尾山さん)を後継者にするつもりはない”と断言していたそうですが、尾山基さんの働き姿勢をみて考えが改まったようです。
アシックスに入社後はウォーキング事業部のマーケティング部長・ウォーキング事業部長等の経歴を経て、2004年に取締役マーケティング統括部長へと昇格しました。
その後も昇格が続き、2007年に常務取締役、2008年には株式会社アシックスの代表取締役社長に就任。
2011年には代表取締役社長CEOとなり、国内だけでなくアメリカやヨーロッパでの売上増加を成功させています。
2018年に代表取締役会長CEOへと就任し現在に至ります。
尾山基の実績・偉業
株式会社アシックスへ入社してから、尾山基さんは数々の実績や偉業を残してきました。
その詳細をご紹介します。
グローバル展開に成功
尾山基さんが社長CEOに就任後、グローバル展開を加速させることに成功しています。
アメリカやヨーロッパを中心に現在では売上高の70%は海外となっているほどで、現在も企業成長の場を海外に求めながら世界的スケールでの事業展開を続けている最中です。
2016年には、インターブランド社が発表している日本発のグローバル・ブランド価値評価ランキング『Japan‘s Best Global Brands 2016』で17位となり、その後も7年連続30位以内に選出されています。
『アシックスタイガー』を復活
尾山基さんは1980年代~1990年代に国内外で各競技のトップ選手やファン愛好者などから人気を博したスニーカー『アシックスタイガー(ASICS Tiger)』を2015年1月より復活させました。
商品は復刻モデルの他に現代に合わせたカラーリングや素材を使用したデザインも制作しています。
アシックスでは競技用シューズ・ウェアブランド『アシックス』・レトロブランド『オニツカタイガー』に加えて第3のブランドとして『アシックスタイガー』を位置付けて現在も新たな市場拡大を行っています。
東京五輪 日本代表選手団オフィシャルスポーツウェアを提供
第32回オリンピック競技大会 IN東京・東京2020パラリンピック競技大会にて株式会社アシックスは国内最高水準スポンサーであるゴールドパートナーとして選手たちを応援しました。
その際にアシックスでは日本代表選手団の公式スポーツウェアを提供しています。
アシックスの研究成果による技術と想いを結集させたウェアは朝日が昇る力強さをイメージしたサンライズレッドをキーカラーとして採用し、日本の伝統文化を表現した折形や、かさねの色目を使用したデザインアクセントが特徴です。
また、尾山基さんは東京五輪の際、故郷である石川県で聖火ランナーも務めあげました。
実は尾山さんは1964年、当時中学生だった時にも聖火ランナーの随走者として石川県内を走った経験があります。当時は“こんな経験は2度とないぞ”と思っていたそうですが、56年ぶりにまた聖火ランナーとして同じ石川県内を走る事ができたことに深く感銘しているとお話されていました。
尾山基の現在
尾山基さんは現在も株式会社アシックスの代表取締役会長CEOを務めています。
株式会社アシックスでは2021年3月31日~2025年3月31日の4年間、早稲田大学と組織的連携に関する基本協定を更新したことが発表されています。
早稲田大学とアシックスはこれまでも『研究開発の連携』・『人材交流』・『社会貢献活動』の3つを柱として、『野球』・『競走』・『ラグビー』・『ラグビー蹴球』・『ア式蹴球』・『庭球』のサポートをより良い製品開発を行う一貫として商品提供を行ってきました。
株式会社アシックスの原点ともなる“スポーツによる青少年の育成”に基づいた協定となっています。
尾山基の推定年収・資産
尾山基さんの2020年12月決算にて発表された報酬は2億300万円となっています。
2019年は1億6,700万円でしたので、約5,000万円の年収が上がりました。
他にも持ち株は0.109%(19万株)と発表がありますので、株価による単純計算では、資産は最低でも5億以上と予想されます。
2021年の決算も増収が見込めますので、尾山基さんの今後の年収や資産も右肩上がりであると推測できます。
尾山基の家族・結婚情報!馴れ初めは?
先ほども軽く触れたのですが、尾山基さんは結婚されていて妻はアシックス創業者の鬼塚喜八郎氏の娘です。
2人の馴れ初めはバスケットボールがきっかけとなっていて、甲南女子大学のバスケット部だった妻は尾山さんが日商岩井時代の上司の奥様とOG仲間でそこを通じて紹介されたそうです。
当時、尾山基さんは大阪勤務で、妻は神戸在住ということもあり少し遠距離恋愛をしながらも1980年、尾山さんが30歳の時に結婚しました。
尚、結婚の際、尾山基さんは鬼塚家の娘婿として入籍しています。
尾山さんにとって、実父と同じように鬼塚喜八郎さんには色々なことを学んだ尊敬する父親であるとインタビューでも答えていることから、仲睦まじい義親子だったことが窺えます。
尾山基さんの趣味
尾山基さんは元々スポーツが好きで、中学・高校と部活はバスケットボール部(高校時は家と学校の距離を理由に退部)で、大学でも遊び程度ですが、ずっと続けていたそうです。
日商岩井時代は会社のバスケ部に所属し、ドイツ研修中にはケルン地域のスポーツクラブの2軍で活躍していた過去もあります。
現在も趣味は水泳とランニングで、水泳に関しては出張などでホテル宿泊となった時には必ず水泳着を持っていき、ホテル内のプールで泳ぐことが楽しみであるとインタビューで答えていました。
株式会社アシックスとは
株式会社アシックスは創業者の鬼塚喜八郎さんがスポーツを通じて青少年たちの育成と社会の発展に貢献したいという想いから誕生した会社です。
社名である『アシックス(ASICS)』の由来は古代ローマの作家ユウェナリスが唱えた“健全なる精神は健全なる身体にこそ宿るべし”=”Anima Sana In Corpore Sano“の頭文字をとって『ASICS』と称しています。
株式会社アシックスには『スポーツ工学研究所』があり、人間の運動動作を分析し独自開発した素材や構造設計技術を用いて、アスリートだけでなく世界中の人々の運動能力を最大限に引き出せる製品作りに取り組んでいます。
国内に10社、海外に52社(2020年12月31日時点)の子会社を持ち、ベンチャー企業への投資やアシックスミュージアムの運営、スポーツジム(パーソナルトレーニング)の運営なども行っています。
スポーツ用品業界では国内売上1位、世界シェア3位となったこともあるアシックスは世界的に親しまれているスポーツメーカーです。
会社の歴史
株式会社アシックスは1949年に神戸市で創業者の鬼塚喜八郎氏が設立した『鬼塚商会』が始まりとなります。
鬼塚喜八郎さんは1945年に戦争から復員した後、“スポーツによる健全な青少年の育成を目的に社会貢献をしたい”という気持ちから会社を立ち上げ、『鬼塚商会』を創業した同年9月に資本金30万円、社員4名により『鬼塚株式会社』を設立しました。
1953年にマラソンシューズの開発を開始し、『マラソンタビ』・『タイガー印 マラップシューズ』などを次々と発売し、1956年には『オニツカタイガー』シューズがメルボルンオリンピック日本選手団のトレーニングシューズとして採用されたことお機にスポーツ界にて知名度が高まることとなります。
1977年に現在の『株式会社アシックス』へと社名変更し、シューズやウェア等の製造・販売を行うスポーツ用品総合メーカーとなりました。
株式会社アシックスのサービス・事業内容
株式会社アシックスでは3つの事業領域を展開しています。
スポーツを通じて健康や質の高い生活を提供したいと願う、株式会社アシックスの事業内容やサービスについてご紹介します。
アスレチックスポーツ事業領域
株式会社アシックスのメイン事業となり、一般的に『スポーツ』と呼ばれるものを全対象とした事業です。
スポーツシューズやアパレル(ウェア)の開発・製造もこの事業にて行っていて、ランニング・テニス・ラグビー・バレーボールなどは国内だけでなく、世界的シェア率1位~3位です。
特にテニスではフランス・スペイン・ドイツのシェア第1位になっています。
アシックスでは強化カテゴリーとして事業展開を進め、ラグビーもワールドカップの際にはレプリカ販売が人気となり現在もトップシェアを目指しています。
ランニングシューズも世界的に市場規模が広く、EC販売でもアシックスブランドの人気が高いです。今後は新たにトレーニングカテゴリの強化も行うことが決まっており、スポーツに関する多様な製品やサービス提供を行っていく予定であることが発表されています。
スポーツライフスタイル事業領域
スポーツライフスタイル事業は、“スポーツがファッションの一部となっている市場”を対象とした事業です。
特に『オニツカタイガー』は欧州やアジアのファッショニスタ達を中心に人気が高く、現在では有力ブランドや著名デザイナーと共に造り上げた商品も積極的に推進しています。
また、競技用シューズとして人気が高かった『アシックスタイガー』も現在はストリートファッションを意識したスニーカーへとデザインを変え、独自の素材やカラーリングが履きやすさとお洒落が融合されていることで人気となっています。
株式会社では元々『アシックス』と『オニツカタイガー』の2つのブランドにて展開していましたが、2015年より『アシックスタイガー』も第3ブランドとして位置付けられ、新たな市場地位を目指している最中なのです。
健康快適事業領域
健康快適事業は、株式会社アシックスがスポーツで培った知的技術を活かして健康や快適な生活を提供するために様々なサービスを展開する事業です。
ゴラウンド・ゴルフで使用するクラブ等の商品や男性用ビジネスシューズ『RUNWALK』・女性用機能的パンプス『GIRO』・キッズ用シューズ『スクスク』など、普段の生活において“健康・快適”をキーワードとした製品作りを行っています。
また、2014年には機能訓練特化型デイサービス『Tryus』をオープンさせ、アシックスのスポーツ光化学研究所の知見を活用した運動サービスプログラムを提供する施設の運営を開始しました。
株式会社アシックスの売上高
2021年12月時点で発表されている株式会社アシックスの売上高についてまとめました。
アシックスでは2021年1月~9月期連結決算が発表されていて、売上高は3,222億円・営業利益は357億円となっています。
過去に同期で3,000億円を突破したのは4年ぶりとなり、純損益も前年度は34億円の赤字だったにも関わらず。今年度は190億円の黒字化に成功しています。
好調な売上高となった要因は健康意識の高まりにおけるランニングシューズの需要や、東京オリンピック・パラリンピックによるブランド価値の向上も功を奏したのではないかと廣田康人さんが語っていました。
なお、2021年12月期の連結業績は売上高3,950億円・営業利益200億円・純利益40億円を予想していることが発表されています。
株式会社アシックスの特徴・強み
株式会社アシックスでは強みとして“スポーツを核とした事業領域で長年培ってきた『技術』・『製品』・『ブランド』に対する信頼”であるとしています。
アシックスの直営店では3次元足形計測器による適切なシューズ選びやアスリートやランナーの特徴を客観的にみることが出来る能力測定など、長年の研究成果とデータ貯蓄によるサービス提供ができることが特徴といえるでしょう。
株式会社アシックスの評判・口コミ
株式会社アシックスで働く社員の評判や口コミを調査し多かった内容を以下にてまとめました。
スポーツ企業ということもあり、チームワークを大切にしていると感じる方が多いようです。年功序列であると感じる方と実力主義であると感じる方は半々のようです。
福利厚生については賛否両論で、退職金がないことに不満を持つ方や持株会や住宅補助、社員割引などを理由に満足している方が見受けられました。
女性に関しては販売員・本社等勤務関係なく産休や育休がとりやすく、男性社員の育休実績もあります。
外国籍のスタッフなども多くダイバーシティに関しても推進していることが感じられましたが、評判は販売員・本社勤務によって異なり、幅広い評判や口コミがある会社であるといえます。
まとめ
以上、尾山基さんのまとめ紹介でした。
尾山基さんにとって多大な影響を受けたのは“2人の父親”だったそうです。
金沢で材木商の取締役を務めていた実父を見て経営者を目指し、並みならぬ企業精神を実践を持って見せ続けてくれた義父・鬼塚喜八郎さんを見てきた尾山基さんは今後もアシックスを更なるグローバル企業として成長させてくれることでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。