【朝ドラ】安藤百福の経歴!チキンラーメン開発者の生い立ち/実績

安藤百福の経歴

安藤百福さんはインスタント食品を中心に製造・販売する日清食品株式会社の創業者で、『カップヌードル』や『チキンラーメン』の開発者です。

世界で初めてインスタントラーメンを生み出した人物として有名で、2018年~2019年にはNHKの朝ドラ(連続テレビ小説)『まんぷく』のモデルにもなりました。

今回は、戦後の食品業界を大きく激変させた安藤百福さんの生い立ちや経歴、実績、家族構成や現在についてご紹介します。

安藤百福とは

安藤百福さんは食品業界の歴史を大きく変えたといっても過言ではない人物で、世界で初めてインスタントラーメンとカップ麺を開発しています。

日本統治時代に台湾で産まれた安藤百福さんの出生名は『呉 百福(ゴー・ペクホク)』でしたが、1966年に日本国籍を再取得し帰化しています。

様々な事業を手掛け成功を収めてきた経歴がありますが、独立した当時から“何か人の役にたつことはないか”・”世の中を明るくする仕事はないか“という信念を持ち続け、それは現在も日清食品グループに受け継がれているのです。

安藤百福のプロフィール

安藤百福とは?経歴・実績・年収・現在まとめ
  • 本名 :安藤 百福(あんどう ももふく)
  • 出身 :台湾・嘉儀庁樸仔脚(現・嘉義県朴子市)
  • 生年月日 :1910年3月5日(2007年1月5日 96歳没)
  • 学歴 :立命館大学専門部経済学科(二部)
  • 趣味 :ゴルフ

安藤百福の経歴

安藤百福の開発したカップヌードル

安藤百福さんは祖父が繊維問屋を経営している姿を見てきたこともあり、幼い頃から商売や事業に関する独立心が強かったそうです。

20歳の時に図書館の司書の職に就いたのですが2年で退職し、1932年に台湾に繊維会社『東洋莫大小(とうようメリヤス)』を設立しました。
繊維事業は大成功し、その後『幻灯機の製造』・『炭焼き』・『バラック住宅の製造』・『製塩』・『学校の設立』など数多くの事業を展開する姿はベンチャー精神が溢れる青年だったという記述があります。

1948年に『中交総社』を設立し、インスタントラーメンの開発成功を機に商号を1958年に『日清食品』へと変更しました。

1981年には日清食品の社長を退任し、代表取締役会長となりました。
社長は息子の安藤宏寿さんに譲りますが、1983年には経営方針の相違により宏寿さんが社長を退任し再び、百福さんが社長へと就任するといった経歴もあります。
1985年にはもう一人の息子である安藤宏基さんが社長となったので、再び会長となりました。
安藤宏基さんは現在も日清食品ホールディングス社長CEOとして務められています。

2002年には代表取締役会長も退任し、『創業者会長』となり『安藤スポーツ・文か振興財団(現:日清スポーツ復興財団』の理事長として子供たちの健全な心身の育成のサポートを行い、2006年にはタイム誌アジア版にて“60年間のアジアの英雄”の1人に選ばれています。

安藤百福の実績・偉業

チキンラーメン

安藤百福さんの偉業といえば世界初のインスタントラーメンを開発したことといえるでしょう。
以下にて安藤さんの素晴らしい偉業の詳細をご紹介します。

世界初のインスタント麺『チキンラーメン』の開発に成功

終戦後、食糧難を目の当たりにした安藤百福さんは食の大切さを改めて痛感します。
“日本人が麺類好きであること”・“日本政府がアメリカの余剰小麦を使用した食事を奨励していたこと”・“理事長を務めていた信用組合の破綻により財産を失ったこと”の3つが、安藤百福がインスタントラーメンを作ろうと決意したきっかけです。

1957年大阪府池田市の自宅敷地内に小屋を作り、世界初の即席麺『チキンラーメン』を発売し、お湯を注いで2分で食べられるラーメンが完成。
1985年8月25日に大阪中央卸売市場にて正規の販売商品として取り扱うこととなり、この日を『ラーメン記念日』と称しています。

世界初のカップ麺『カップヌードル』の開発に成功

1966年、安藤百福さんはチキンラーメンを世界に広めようと欧米へ視察旅行に出かけました。
そこで、欧米人がチキンラーメンを小さく割ってコップに入れ、フォークで食べていた姿を見て“アメリカにはどんぶりも箸もない”という事に改めて気づきます。
安藤百福さんはインスタントラーメンを世界的に広めるには食習慣の違いが大事だということに着目し、“麺をカップに入れてフォークで食べる新製品”の開発に取り掛かります。

まず、カップ容器を作ることから始まり、40種類近い試作品を作り検討を重ねました。カップ素材として選んだ発砲スチロールは当時の日本ではまだ珍しい素材だったので成型するのは容易ではないことから、難航します。
しかし、米国の技術を導入し自社にて容器製造をすることに成功します。

そして容器のフタや具材、麺の上げ方まで各工程を知恵や工夫をこらして開発し『カップヌードル』が誕生しました。

宇宙食ラーメン『スペース・ラム』の開発に成功

現在、日清食品では宇宙食として『スペース・ラム』という名のインスタントラーメンを提供しています。

この商品開発を始めたのは安藤百福さんが91歳の時で、安藤さん自身が陣頭指揮をとって開発が進められました。
『スペース・ラム』の開発の基礎は1958年に安藤百福さんが発明した『瞬間油熱乾燥法』で、インスタントラーメンの発明当初から宇宙時代にも対応する素晴らしい食品だったということが同時に証明されています。

そして、安藤さんが95歳となった2005年にスペースシャトル・ディスカバリー号に『スペース・ラム』は搭載されて宇宙へと飛び立ち、野口総一宇宙飛行士が人類初の宇宙空間でインスタントラーメンを食べた人物となりました。
安藤百福さんは宇宙食開発が成功した際に“人生に遅すぎるということはない”という名言も残されています。

安藤百福の推定年収・資産

安藤百福さんの資産や年収についての情報は見つけられることができませんでしたが、世界的に人気を博しているインスタントラーメントップの社長だったことから、計り知れない資産をもっていたことは間違いないでしょう。

ちなみに、現在『日清食品ホールディングス』の社長CEOである安藤宏基さんの2021年3月期の報酬総額は3億9,400万円となっています。
このことから、安藤百福さんの年収は最低でも3~4億円はあったのではないかと考えられます。

安藤一家の資産となると億どころか、『兆』の桁であることが予想されます。

安藤百福の結婚・家族構成

安藤百福さんは結婚されています。
当時、台湾では一夫多妻が認められていたため、安藤さんには第1夫人と第2夫人がいて、2人の妻の間にそれぞれ子供がいます。

第1夫人の『黄綉梅(ファン・シウメイ)さん』の間には安藤宏寿さんと養女の呉火盆さんの2人の子供がいて、第2夫人の『呉金鶯(ウー・ジンイン)さん』の間には呉宏男さん、呉武徳さん、呉美和さんの3人の子供がいます。

そして、安藤百福さんには3人目の妻もいて日本人の『安藤仁子さん』です。
連続テレビ小説『まんぷく』でも登場しているインスタントラーメンの開発を支えた人物で、2人の間には安藤宏基さん、安藤明美さんの2人の子供がいます。

しかし、安藤仁子さんとの婚姻について、2005年に第1夫人の『黄綉梅さん』との婚姻関係が解消されていないため、重婚となるので無効という判決が出されたという発表もありました。

安藤百福の現在

安藤百福さんは現在、逝去されていて享年97歳でした。

安藤さんは亡くなる3日前には幹部社員とゴルフを楽しみ、前日には年明けの仕事始めのため上段にあがり立ったまま30分の訓辞を行い、餅入りのチキンラーメンを食べていたそうです。

2007年1月5日に38℃の高熱が出て、同日夕方に急性心筋梗塞により死去しました。
生涯現役でインスタントラーメンを愛した安藤百福さんは『ニューヨーク・タイムズ』でも逝去の記事が掲載され、“ミスターヌードルに感謝”という見出しが載せられていました。

大阪市の京セラドーム大阪にて社葬が行われ、参列者には中曽根康弘元首相や小泉純一郎元首相、福田康夫元首相夫妻など、約6,500名が参列されています。

日清食品ホールディングス株式会社とは

日清カップヌードル

日清食品ホールディングス株式会社は即席麺を中心にインスタント食品・冷凍食品・菓子・シリアル食品・乳酸菌飲料等を製造・販売している企業です。

子会社を複数持ち、『日清食品』・『明星食品』・『湖池屋』などは日清食品ホールディングスのグループ企業となります。

日清ホールディングスの代表商品は世界初のインスタントラーメン『チキンラーメン』と世界初のカップ麺『カップヌードル』です。この両方の革新的な食品はあっという間に世界的な食品へと広まり、現在もカップ麺市場は海外にまで積極的に進出を行い、海外6カ国に現地工場を設置しています。(2021年12月時点)

『日清』の社名由来は“日々、清らかに豊かな味をつくる”という言葉から誕生していて、創業者・安藤百福さんが名付けたといわれています。

日清食品ホールディングス株式会社のサービス・事業内容

日清食品ホールディングスでは子会社と共に5つの事業を主軸として展開しています。
その事業についてご紹介します。

国内即席麺事業

子会社の『日清食品』・『明星食品』を主軸として食品の開発・製造をおこなっています。

『チキンラーメン』や『カップヌードル』、『どん兵衛』、『チャルメラ』、『一平ちゃん』など、スーパーやCMで目にする商品を数多く製造している事業です。
CMには人気の芸人や俳優、スポーツ選手を起用していることが多く、印象に残るCM作りをしています。

海外即席麺事業

『カップヌードル』をはじめ、各国の嗜好にあった即席麺を製造・販売する事業です。

インド・インドネシア・タイ・オランダ・アメリカ・ブラジルには現地工場を設けていて、米州・中国・アジア・欧州の4つの地域を軸としてマーケット展開を行っています。
また、現在も新興国のマーケット開拓も積極的に取り組み、今後は更にマーケット拡大が予想される事業です。

低温食品事業

子会社となる『日清食品チルド』と『日清食品冷凍』を中心に冷蔵・冷凍食品を製造している事業部です。

麺類を中心としたチルド・冷凍食品の他、お好み焼きや炒飯なども人気となっている他、人気アニメ等とコラボしたキャンペーンも多彩で人気となっています。

時代と共に変わりつつある日本の食卓をより豊かなものにするために幅広いジャンルの製品を製造している事業部です。

菓子事業

日清食品グループのお菓子事業は『日清シスコ』と『ぼんち』・『湖池屋』が製造・販売しています。

ロングセラー商品『ココナッツサブレ』や『ぼんち揚』が有名となっている他、シリアル商品の『シスコーン』や『グラノーラ』も近年人気となっています。

2020年には連結子会社として『湖池屋』も加わり、定番の『湖池屋ポテトチップス』をはじめ、『カラムーチョ』や『ポリンキー』、リッチなポテトチップスとして『プライドポテト』なども人気となっています。

飲料事業

主に乳製品飲料を製造していて、子会社『日清ヨーク』が担っています。

健康に結びつく飲料製品の製造・販売をメインに『十勝のむヨーグルト』や『ピルクル』などを製造しています。
十勝のむヨーグルトは季節によって様々な味の製品を販売していて人気となっています。

日清食品ホールディングス株式会社の業績・売上高

日清食品ホールディングス株式会社の最新の業績は以下の通りです。(2021年12月時点)

2021年度第2四半期の連結決算は売上高2,750億円(前年同期比14.1%増)、営業利益268億円(同15.7%減)、純利益171億円(同22.1%減)という結果で増収減益となっています。

尚、2020年度の連結決算は売上高5,061億700万円(前期比7.9%増)、営業利益555億3,200万円(同34.6%増)となり、純利益に関しては408億2,800万円と過去最高益を更新しました。
また、2021年度の決算予想は売上高5,400億円(同6.7%増)と予想いると発表されています。

日清食品ホールディングス株式会社の歴史

日清食品ホールディングス株式会社は2008年10月に持ち株会社体制への移行に伴い商号が変更されました。以前は『日清食品株式会社』でしたが、現在同社は即席麺事業会社として日清食品グループの傘下となっています。

日清食品ホールディングスでは2011年に神奈川県横浜市中区に『カップヌードルミュージアム』を開館し、館内には創業者である安藤百福さんの『安藤百福発明記念館』も開館しました。

また、実業団にも注力していて、2010年、2012年と日本実業団対抗駅伝『ニューイヤー駅伝』にて優勝も果たしています。

2014年には東京都八王子市戸吹町にて『日清食品グループ the WAVE(グローバルイノベーション研究センター)』・『グローバル食品安全研究所』の2拠点を設置し、食への研究拡大を図っています。

2020年に『湖池屋』の株式を追加取得したことで連結子会社化となり、今後もさらなる成長が見込まれています。

日清食品ホールディングス株式会社の特徴・強み

日清食品ホールディングスの強みや特徴は数多い『ブランド力』といえるでしょう。

『カップヌードル』・『チキンラーメン』・『どん兵衛』・『ラ王』・『U.F.O』等の知名度はとても高く、即席麺業界ではトップシェアを独占している企業でもあります。
また、CMなどのブランディング力も優れていて、食品だけでなくマーケティング力も他企業から注目を浴びていることも特徴です。

その秘訣は日清食品HDの『ブランドマネージャー制度』がポイントとなっているようです。
各商品には開発~販売までを統括するブランドマネージャーが配属され、各ブランド同士の競い合いが行われているそうです。
これは日清食品独自の制度で、これにより各ブランドの個性を際立たせることに成功しています。

日清食品ホールディングス株式会社の評判・口コミ

日清食品ホールディングスで働く社員の評判や口コミを以下にていくつか紹介します。

会社の福利厚生について満足していると評価する社員が多く感じられます。
評価制度については年功序列の傾向にありましたが、近年は実力主義に移行していて、やる気に繋がると感じている方も多いです。

リモートワークも積極的に推進されていてワークライフバランスも良くなってきているなど、全体的に働き方の向上がみられています。
また、ダイバーシティも積極的に推進しているようで、性別や国籍に関係なく平等に仕事が出来る環境となっているようです。

まとめ

以上、安藤百福さんのご紹介でした。

波乱万丈な実業家人生を歩み、一度は無一文にもなった安藤さんですが今後も世界的に有名な偉人として受け継がれていくことは間違いないでしょう。

安藤百福さんの遺志を受け継ぎ、邁進していく日清食品グループに今後も期待です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。